令和4年度事業計画

測量設計業は、我が国の安全安心と経済成長を支える社会資本整備の最上流に位置する業務であり、近年では、i-Constructionによる工事の出来形管理やインフラの維持管理にも大きな役割を果たすことが期待されています。そのことから、建設生産システムの上流から下流まで幅広い範囲で品質を確保するための技術力の向上はもとより、新たなニーズに対応するための設備投資も求められているところです。
現在、就業者の高齢化や若年層人口の減少による担い手の確保、知識・技術の承継が大きな課題となっています。さらに、公共事業関係予算は緊縮財政の継続により、相変わらず伸び悩みとなっているため、生産性向上のための投資や人材の積極的採用を躊躇せざるを得ない状況にあります。
令和4年度は、第9次5か年計画(メインテーマ「県土強靭化に貢献する
ICT産業を目指して」)の2年目となります。厳しい環境ではありますが、計画実現に向けて、技術の研鑽や経営の改善だけでなく、働き方改革にも対応してまいります。また、公益事業を中心とした協会活動の充実を図りつつ、これまで以上に県民の皆様から県土の強靭化の重要性及び測量設計業の役割に対するご理解を得られるよう努力してまいります。
令和3年度は、前年度に引き続いて新型コロナウイルスの感染拡大により、事業の延期や中止などの見直しを強いられました。令和4年度においても、事業の実施可否や方法を逐次見直しをしながら実施していくこととします。

主な公益事業は次のとおりです。

  1. 広く県民の皆様に測量設計業をご理解いただくことを目的とした「ちば測協第11回県民講座」の開催
  2. 次世代の技術者の人材育成を図るために行う高等学校測量実習の実施
  3. 子どもたちの測量や地図づくりへの関心を高めるための小学生向け測量体験学習の実施
  4. 優れた人材を確保するため、将来的な産学協同も視野に入れた大学生を対象にした測量講座等に関する調査研究
  5. 測量設計業振興のため、新分野を始めとした地理空間情報活用等に関する調査研究及び研修の実施
  6. 社会資本整備の基礎を担う測量設計業務の品質を高め、技術と経営とに優れた業界となるため、全ての測量設計業に従事する者及び測量設計業を営む者を対象とした各種研修の実施
  7. 測量設計業に対する県民の理解を得るための「ちば地図展」の開催
  8. 県民測量無料相談所の開設と活用の促進
  9. 県をはじめとする公共事業実施機関及び測量計画機関に対する、県民の安全安心のための事業提案等の要望活動及び意見交換会の実施
  10. 当協会の公益活動及び会員の情報を適確に紹介するための各種広報活動
  11. 地籍調査推進事業など測量設計業振興のための各種調査研究とその結果の公開

1.公益事業
(1)研修事業
①. ちば測協第11回県民講座 [企画部会]
災害等に強い安全・安心な県土づくりにおいて、社会資本整備の基礎を担う役割を果たし、今まで以上に県民の皆様に測量設計業として認知してもらえるようなテーマを選定し、有識者を招いて誰でも無料で参加出来る「県民講座」を開催する。
  期日場所  令和4年11月頃 千葉市内
  対  象  県民一般
  事業予算  1,754千円

②. 高等学校測量実習及び測量競技大会への支援 [学校研修部会]
 県内高等学校の生徒を対象に、授業の一環として測量設計知識の普及等を目的に、最新測量機器を使用した測量実習を実施する。また、高校の要請によりUAVやTLSの実習を協力企業(千葉測器株式会社)と実施する。さらに、農業系・工業系高校で実施している測量大会において、競技課題の設定、開催準備、競技審査等を支援する。
  実施時期  令和4年5月~12月
  対  象  県内の高等学校6校を予定
  事業予算  1,499千円

③. 小学生測量学習[事業部会]
県内小学校の児童を対象として、歩測及び磁石を用いた授業を行う。測量に興味を持ってもらい、測量と社会のつながりを理解してもらうことにより、次世代への人材育成につなげていく。
  実施時期  令和4年9月頃
  対  象  県内の小学校1校程度
  事業予算  550千円

④. 各種研修会への講師派遣 [技術部会]
 地域ごとの測量計画機関(発注者)の職員を対象にしたが主催する測量設計に関する講習会において、要請がある場合は適宜講師を派遣する(3回程度)。
事業予算  243千円

⑤. 測量技術研修 [技術部会]
 協会員を対象にした測量技術に関する講習会を実施する(外部より講師招聘)。
  期日場所  令和4年9月頃 千葉市内
  事業予算  245千円

⑥. 測量計画機関向け測量技術講習 [技術部会]
 測量計画機関である県内公共団体職員向けの測量技術講習会を、(公財)千葉県建設技術センターと協力して実施する。
  期日場所  令和4年5月~6月 千葉市内
  対  象  県内の公共団体職員
  事業予算  1,485千円

⑦. 経営改善研修会 [経営法制部会]
事業再構築補助金等、測量機器購入や設備投資、人材投資に利用できる補助金制度の説明についてコンサルタント(公認会計士、経営コンサルタント等)を講師として開催する。また、補助金交付されている会員の事例紹介(パネルディスカッション)を行う。
  期日場所  令和4年4月 千葉市内
対  象  測量設計業の経営者
  事業予算  230千円

⑧. 独占禁止法遵守等研修会 [経営法制部会]
測量設計業等におけるコンプライアンスの徹底等を図るため、県建設関連委託業務団体連合会と共催で講習会を開催する。
  期日場所  令和4年10月頃 千葉市内
  対  象  測量設計業及び関連業に従事する者
  事業予算  140千円

(2)相談事業
測量設計無料相談所の運営 [総務広報部会]
  広く県民からの相談に応じ、地域社会への貢献を果たす。また、全ての会員事業所及び協会事務局に「県民測量設計無料相談所」を開設するとともに、ホームページからの相談も受け付ける。さらに、「ちば測協県民講座」や「ちば地図展」開催時等をはじめ、公共団体等が開設する行政相談の窓口等に適宜相談員を派遣する。
   実施時期  通 年
   事業予算  120千円 

(3)調査事業
① 地籍調査実態調査 [地籍調査部会]
県内の地籍調査も実施市町村が増えてきたことから、認証申請時の県からの指摘事項及び法務局提出時の法務局からの指摘事項等を調査し、今後の地籍調査実施に役立てる。
実施時期  通 年
  事業予算  560千円

② 経営改善のための調査研究(受注実態調査) [経営法制部会]
 平成5年より毎年実施している受注実態調査事業を行う。
・県内測量業務等受注実態調査 実施時期  令和4年 6月頃
  ・全測連測量業実態調査    実施時期  令和4年10月頃
   事業予算   70千円

③ 人材確保のための宣伝動画作成 [経営法制部会]
 人材確保が厳しい業況を踏まえて、より多くの方々に測量設計業の重要性、必要性等を知って頂くため、宣伝動画を作成してYouTubeYouTubeで配信する。令和4年度は、昨年度に制作した宣伝動画の、春夏バージョン、秋冬バージョンを制作する。
  事業予算  670千円

(4)普及啓発事業
① 広報誌編集発行 [総務広報部会]
協会の一年の活動記録及びトピックを記載し、協会及び協会員のPRを含めた内容の広報誌の編集発行をする。
  事業予算 700千円

② ホームページ運営管理 [総務広報部会・ウェブ特別部会]
 広く県民・関係機関等に、当協会の取組みや測量設計業の重要性、協会の事業内容並びに会員の情報等を提供するため、協会案内及びホームページ等を通じ、公益社団法人として積極的に情報の公開を行っていく。なお、協会案内に掲載する会員の情報については、企業者からの要望に応えるとともに協会会員への信頼拡充のため、会員アンケートの結果等を踏まえて情報の充実を図る。
  実施時期  通 年
  事業予算  210千円(ホームページ運営管理)

③ 要望活動 [総務広報部会]
 測量設計業の振興と県民の公共の福祉増進のための事業提案等を図るため、国・県及び市町村等に対する要望活動及び測量計画機関等との意見交換会を実施する。
  ・要望活動  実施時期 令和4年7~8月頃
・意見交換会 実施時期 令和4年11月頃

④ ちば地図展の開催 [事業部会]
 測量及び地図に対する県民の理解と認識を深め、測量の果たす役割を広く伝える。防災や測量設計業に関する啓発に努め、測量設計業の振興と社会的地位の向上を図るため、ちば地図展を開催する。
  期日場所  令和4年10月頃 千葉県内
  対  象  県民一般
  事業予算  320千円

(5)関係諸団体への役員派遣による情報収集 [役員・会員]
測量設計業の全国的な動向及び関連業界との連携を図るため、国、県並びに(一社)全国測量設計業協会連合会、同関東地区協議会、(公社)日本測量協会等の公益的事業を行う諸団体の実施する研修会等に役員等を派遣する。
  実施時期  通 年

2 共益事業等
(1)関連団体との連携強化
① 関係諸団体への負担金の拠出
測量設計業並びに関連業界等における公益活動等を展開する各種団体(全測連、同関東地区協、建産連等)に対し負担金を拠出する。

② 関係諸団体開催の会議等へ出席 [役員・会員]
測量設計業の振興のための情報収集と連携を密にし、県内の公益目的事業推進に資するため、全測連、同関東地区協議会、日測協、県建設関連委託業務団体連合会等各種団体の会議に参加する。

(2)協会会議の開催
協会の公益目的事業を円滑に実施するため、また、運営に関する諸事項を決定するために必要な会議を開催する。
① 通常総会       令和4年5月11日
② 理事会、常任理事会  年度内 12回程度
※ 常任理事会[会長、副会長、常務理事、事務局長]
③ 委員会・部会     必要に応じ随時開催

(3)福利厚生事業
測量業グループ保険事務代行
会員の福利厚生として、測量設計業に従事する者の万一の事故災害時に備えた保険の加入・更新・保険金支払い等に係る事務を代行する。